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(公社)青森青年会議所

三升景清 分身不動

作: 立田 龍宝




 悪七兵衛景清(景清)は平家の侍であり、反逆の英雄として様々な伝説を残している。その伝説の一つとして平家滅亡後に平家が遺したとされる宝の在り処を 聞き出すために、景清は源氏方に捕らえられ牢に入れられることとなる。しかし景清はどのような仕打ちにも耐え忍び、源氏方より与えられた水すらも飲まず に、一切口を割ることはなかった。業を煮やした源氏方は、景清の妻、阿古屋と娘の人丸を景清の牢の前に連れて行き責めたてた。ここまで様々な行為に耐え忍 んできた景清だが、この卑劣な行為に怒り狂って剛勇を振るい堅牢な牢を打ち破り、源氏方に対して荒々しく大立ち廻りをして一網打尽にした。これは分身不動 を守護神に持つ成田屋が、歌舞伎十八番之内で演じる荒事芸の一場面である。景清が戦に敗れ世間では悪としてみられても、己の正義を貫き大切なもの(誇り) を守りながら更なる発展を目指し、新たなる時代へと突き進もうとする場面としても有名である。
 私はこの景清に、青森市の大切なもの(誇り)であるねぶたの伝統を守りながらも進化し続けるねぶた師を重ね合わせた。このねぶたは、ねぶた師として伝統を継承し、青森市と青森ねぶた祭の更なる発展のために踏み出していくことへの決意をこめたねぶたである。


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