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楽器紹介 笛(篠笛)

笛

 

夏も近くなると、街のあちこちで笛の音が聞かれるようになる。七節からなる澄んだ深みのある音色を出せるのには約3年かかるとも言われ、チカラのいる太鼓と違って女性や子供たちも多い。

 

もともと囃子は、笛を主体に7日分(53節)が別々に用意されていた。

初日 2日目 3日目 4日目 5日目 6日目 最終日(なぬかび)
8節 7節 7節 8節 8節 7節 8節 53節

初日は"感謝の気持ちを表し"、2日目は"神を迎える"、3日目は"神が降下し"、4・5日目は"歓喜と乱舞"、6日目が"神送り"、なぬか日は"神は天から悪役や災難を祓って安らかな生活がやって来る"という意味。

 

明治初期に笛吹き名人といわれた小笠原八十氏(江戸時代の弘化4年(1847))の弟子で南了益(昭和49年市の無形文化財に指定)ら9人が正調囃子の復興に尽力され、戦後まで新旧市内のねぶた団体がまちまちに、それぞれが伝統囃子の独自性を張り合っていたものを七節に纏めた、昭和23年には「青森ねぶた正調囃子保存会」を発足、正調囃子の啓蒙普及活動にあたり、昭和27年から代表節となり正調囃子になった。

これを昭和30年の港まつり「ねぶた囃子競演会」で各団体が七節に統一された正調囃子を演奏披露し笛の正調が実現したが、太鼓の打ち方には手をつけなかった。これが今日まで続いている。尚、囃子には進行・戻り・大休止・小休止・集合・小屋入れ・小屋出しなどを含め数種類ある。

 

篠笛は、囃子などではもっともポピュラーな笛で、材料は女竹(メダケ・しの竹とも言う)で作った横笛。竹は伊豆・安房・山城・伊予産が最良といわれ、成長すると材色は緑に近く、高さ6m、径2.5cm、節間50cm位になる。

笛の長さが長くなるにつれて音域は低くなり、逆に短くて細い笛は高い音域。歌口(唄口・吹口)1ヶと指孔(ゆびあな)7ヶがあり、長さ43~45cm位、指で押さえるための穴の数は「7穴」だが、「6穴」のものもある。

ちなみに、「歌口」への息の吹き込み方で、音の高さが変わる。

 

とんび(鳶)=笛のこと、「とんび」は「ピーヒョロロ」と鳴くことからだろう。

 

かんおん(甲音)

篠笛の音のうち、オクターブ高い音。これよりもう1オクターブ高い音を「大甲」といい、1オクターブ下の音は「呂音」という。

ちなみに、「甲高い(かんだかい)」という言葉は、この「甲音」が語源らしい。

「甲音」に対し「乙音」といわれる場合もあるが、「乙音」は「尺八」用語で、篠笛ではあまり使わない。

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