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青森マルハ侫武多会

公時と山姥

作: 竹浪 比呂央




 平安時代中期、箱根の足柄山中に山姥と童子の母子が住んでいた。山姥と赤龍との間に生まれたというこの童子は、里人から金太郎とよばれていた。
 幼い頃より山の動物たちと共に暮らし、その剛力は山の神も驚くほどであったが、自然を大切にする優しい心も持ち合わせた若者としてたくましく成長したと いう。後に、源頼光(みなもとのらいこう)に見い出され、その名も坂田公時(さかたのきんとき)と改め、頼光四天王の一人として大江山(おおえやま)の酒 呑童子(しゅてんどうじ)や土蜘蛛(つちぐも)退治などで活躍する話は特に有名である。
 子供の健やかな成長を願う五月人形としても人気の高い金太郎。世界には未だ戦乱や貧困の中、満足な教育も受けられない数多くの子供たちが暮らしている。 ねぶたは、邪気を懲らしめる若き公時の姿に、豊かな自然と平和の中で子供たちが安心して育まれることを切に祈るものである。


≪ (社)青森青年会議所 2002年の大型ねぶた紹介 青森ナショナルねぶた会 ≫
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