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NTTグループねぶた

刈田麿の鬼神退治

作: 内山 龍星




 赤石村(あかいしむら)の奥(おく)の沢目(さわめ)に白上嶽(しらがみだけ)があり、そこに妖術(ようじゅつ)をあやつる鬼神(きじん)が住(す)んでいた。
 天皇(てんのう)から鬼神退治(きじんたいじ)の命(めい)を受(う)けた坂上刈田麿(さかのうえかりたまろ)が黒森山(くろもりやま)と大滝亦(おお たきまた)に数人(すうにん)の山伏(やまぶし)と陣(じん)をかまえたところ、夜(よる)枕元(まくらもと)に千手観音(せんじゅかんのん)が姿(すが た)を現(あらわ)し、「決(けっ)して油断(ゆだん)してはならぬ」とのお告(つ)げがあった。やがて暗雲(あんうん)たちこめ風雨(ふうう)が強(つ よ)くなる中(なか)、大滝亦(おおたきまた)の方(ほう)から鬼神(きじん)が現(あらわ)れ、刈田麿(かりたまろ)の甲(こう)をつかみ、黒雲(こく うん)引(ひ)いて虚空(こくう)はるかに舞(ま)い上(あ)がった。驚(おどろ)いた山伏達(やまぶしたち)が観音経(かんのんきょう)を唱(とな)え ると再(ふたた)び千手観音(せんじゅかんのん)が現(あらわ)れ、一喝(いっかつ)すると鬼神(きじん)がひるんだ。その機(き)を逃(のが)さず刈田 麿(かりたまろ)は鬼神(きじん)を首尾(しゅび)よく討(う)ち取(と)ることができた。
 それから国(くに)は穏(おだ)やかに治(おさ)まり平和(へいわ)になったという。

青森の伝説より


≪ 青森自衛隊ねぶた協賛会 2005年の大型ねぶた紹介 ヤマト運輸ねぶた実行委員会 ≫
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