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ねぶた愛好会

三国妖狐伝

作: 諏訪 慎





 悪の主人公は、美女に化身して王国をたぶらかす、白面金毛九尾の狐。
 三千百年前の古代中国に出現し、妲妃という妖艶な美女となり殷の紂王をたぶらかし、王国を滅亡させてしまう。その後、九尾の狐は、南天竺(古代インド西 域)の耶竭国へ飛来し、屯天沙朗大王の息子・斑足王子の妃・華陽夫人として、またもや国を滅ぼそうとするが正体をあばかれ、逃げ去る。
 「三国妖狐伝」は、中国、天竺(インド)、日本の三国を股にかけたスケールの大きな伝奇物語。
 南天竺の国王が、ある日、その夫人とともに群臣をつれて、南殿に海棠の花を見に行った。
 この時、どこからともなく、身長が一丈余りの獅子が、御遊の庭に飛んできた。
 王座を白目で睨んだ形相に、大王はじめ一座の諸臣が驚き、剣を抜いて追い払おうとするが、獅子は退かなかった。一飛び、殿上に飛び上がったとおもえば、大夫人を引き咥え、たちまち南面の山中に駆け入った。
 月日は経ち、翌年3月、南殿において 追福の御遊を催された。すると山上から一陣の狂風がさっと吹いてきて、以前の猛獣・獅子が、后を背に負い、庭に現れるや群れ咲く花の間に后を投げおろし、身を返して山中に走り去った。
 后は身ごもり、王子が誕生。その王子は、獅子の遺伝子を持っていたので、両足に渦巻いた毛があった。このため、斑足王子と名付けられた。
 斑足王子は、成長し、身長は一丈にも達し、力は強く岩をも打ち砕き、船をも陸に投げ飛ばした。
父大王から王位を禅譲されて、天羅国の国王となった。


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