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青森市役所ねぶた実行委員会

怪力蒼海公と秦の始皇帝

作: 外崎 白鴻




 紀元前3世紀末、秦の始皇帝は中国史上初の統一国を創出し戦国時代に終止符を打った。だが始皇帝の悪政は庶民を苦しめ、その恐怖政治は人々を怯えさせていた。この悪政を打開する為、始皇帝暗殺を計画したのが、千斤の鉄槌を自由に操る蒼海公(そうかいこう)と張良である。
 怪力蒼海公は、全国巡業中の始皇帝の仰々しい行列が通るや否や、丘の上から颯爽と駆け下り、鉄槌を投げつけた。鉄槌の命中した車は粉々に砕け散り、馬も護衛兵も大混乱であった。
 しかし、始皇帝は用心深く、暗殺者に狙われることを想定して副車の方に乗っていたのだ。
 暗殺計画は失敗に終わり、蒼海公と張良は無念の思いで逃亡の身となった。面目まる潰れの始皇帝は激怒し、天下に号令して大捜索を行わせたという。この後、蒼海公は歴史の表舞台から姿を消したと伝えられている。
 このねぶたは、怪力無双の蒼海公が今まさに始皇帝の馬車目掛け、千斤の鉄槌を投げ込まんとしている様子を表したものである。


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