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ねぶた愛好会

夏祭浪花鑑

作: 諏訪 慎




 主人公、団七は幼いとき浮浪児であったのを三河屋義平次に拾われ、今ではその娘お梶と所帯をもって、堺の魚売りとなっていた。
 元来、義侠心が強く、名も団七九郎兵衛と名乗っていた。
 恩人の玉島兵太夫の息子・磯之丞の恋人・琴浦に横恋慕する、悪人佐賀右衛門の誘いにのる欲深い義平次は、「団七に頼まれた」と言って、琴浦を籠にのせ連れ出した。団七がそれを追いかけて救い出したときの「長町裏」の一場面。
 団七は、「親父どん、ここに30両ある」とうそを言い、琴浦を載せた籠を取り戻す。金子にみせた包みが石ころだったことに腹をたてた義平次は、「よう も、親をだましくさったなあ」と罵り、ついには団七の雪駄で額を打ち据え傷を負わせる。額に血がついていてびっくりした団七は、思わず刀に手をかける。刀 を取り合う揉みあいとなり、刀の鞘が走って、団七は義平次の肩先を斬ってしまう。
 「もはやこれまで」と、だんじり囃子の聞こえる中、義平次を惨殺する。屍骸を池に捨て、井戸水で身体を洗った後「悪い人でも舅は親、親父どん堪忍してくだんせ」とだんじりの群集にまぎれて去っていく。

 元禄11年(1698年)冬、大阪長町裏で起きた魚屋による「舅殺し」事件を題材にした人形浄瑠璃および歌舞伎狂言の題名。から


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