ＮＴＴグループねぶた

西王母の祝福

作: 北村　春一

　「西王母(せいおうぼ)」とは、多(おお)くの中国(ちゅうごく)神話(しんわ)に登場(とうじょう)し、仙女(せんにょ)の世界(せかい)の女王(じょおう)的(てき)存在(そんざい)として長(なが)く民間(みんかん)で信仰(しんこう)された女神(めがみ)である。西(にし)の彼方(かなた)にある仙郷(せんきょう)・崑崙(こんろん)山(さん)に住(す)むとされ、仙(せん)桃(とう)を管理(かんり)していた。

　時(とき)は周(しゅう)王朝(おうちょう)、五代目(ごだいめ)の皇帝(こうてい)「穆(ぼく)王(おう)」は大陸(たいりく)全土(ぜんど)を巡(めぐ)って治世(ちせい)に努(つと)め、天下(てんか)は富(と)み栄(さか)え、威光(いこう)は天下(てんか)に充(み)ち満(み)ちている。皇帝(こうてい)の威徳(いとく)によって咲(さ)いたという三千年(さんぜんねん)に一度(いちど)開花(かいか)結実(けつじつ)する仙界(せんかい)の桃(もも)の実(み)は、不老(ふろう)長寿(ちょうじゅ)の妙薬(みょうやく)である。治(おさ)まる御代(みよ)に感応(かんのう)した西王母(せいおうぼ)は仙(せん)桃(とう)を献上(けんじょう)するため降臨(こうりん)し、天下(てんか)の太平(たいへい)を祝福(しゅくふく)した。

　ねぶたは、治世(ちせい)祝福(しゅくふく)の宴(うたげ)の席(せき)、鳳凰(ほうおう)や仙(せん)女(にょ)が飛(と)び交(か)う中(なか)、美(うつく)しく舞(ま)う西王母(せいおうぼ)と聖君(せいくん)穆(ぼく)王(おう)の姿(すがた)を表(あらわ)している。

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