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青森マルハ侫武多会

地震鯰

作: 竹浪 比呂央




 「揺(ゆる)ぐとも よもや 抜けじの要石(かなめいし)
鹿島(かしま)の神の あらんかぎりは」という古歌がある。

 古来、地震は 地底に潜む大鯰の仕業であり、鹿島大明神(かしまだいみょうじん)が要石をすえてこれを防いでいると考えられていた。
 安政二年(一八五五年)江戸で直下型の大地震があり、都会の町は紅蓮の炎に 包まれてしまった。
そして この直後、鹿島の神や 地震鯰を主題にした いわゆる鯰絵が売り出され、厄除けの護符の意味もあり、大流行したのである。
 今年は その安政大地震から数えて一五〇年、阪神淡路大震災からちょうど一〇年、さらに昨今の大地震の恐しさは記憶に 新しいところである。
 我々は、今改めて 防災意識を高めるとともに、再び悲惨な地震の起こらぬことを 祈るものである。
 ねぶたは、巨大な地震鯰を取り鎮めんとする、鹿島大明神の勇姿であり、また送りは 要石の前で鯰退治を喜ぶ 恵比寿様の姿である。
 尚、鹿島大明神(建御雷神(たけみかづちのかみ))は、大漁、海上安全の神としても信仰を集めている。


≪ 県庁ねぶた実行委員会 2005年の大型ねぶた紹介 消防第二分団・アサヒビール ≫
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