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ヤマト運輸ねぶた実行委員会

神馬「池月」

作: 穐元 鴻生




 その昔、九州は鹿児島県の今の指宿(いぶすき)市と開聞(かいもん)町に囲まれた池田湖と言う湖があり、この湖は日照り続きのときでもこの湖だけはどん どん水が増え、溢れんばかりになったり風もないのに大波が立ったり不思議なことがありました。みんなは湖底の竜の仕業だと、人も鳥も寄りつかなかった。だ が美しい母子の白馬だけは毎日湖を泳いで渡っていました。
二頭はとても仲睦まじかった、山幸彦(やまさちのみこと)が竜宮から連れ帰った龍馬の子孫だと言う噂が広まりました。この噂は鎌倉まで伝わり源頼朝(みな もとのよりとも)公より子馬の方を差し出すようにとの命が開聞の長に届き、親子は無理やり別れさせられました。その後、子馬は「池月(いけづき)」と名づ けられ頼朝に可愛がられて、宇治川の合戦で佐々木四郎高綱を乗せ大活躍したが、母馬はある日、悲しみのあまり子馬と分かれて七日目湖の岸壁にやってきて池 田湖を見下ろしました。すると湖面には、たてがみをなびかせた馬が映っていました。
 「ここに、我が子がいる」と池田湖に飛び込んで沈んだと言われています。
 子を思う母の心を哀れに思った村人は、石塔を建ててその霊を慰めました。
 それが、今、小浜(おはま)にまつってある馬頭観音(ばとうかんのん)様です。
 このねぶたは池田湖の伝説「池月」を題材にしたものです。


≪ 青森大学 2002年の大型ねぶた紹介 (社)青森青年会議所 ≫
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