サンロード青森

北の炎・阿弖流為

作: 千葉　作龍

　8世紀の末、延暦（えんりゃく）5年桓武（かんむ）天皇によって東北蝦夷征伐の令が下され、征夷大将軍・紀古佐美（きのこさみ）は日高見国（ひだかみのくに）へ攻める。
　しかし、蝦夷の将軍「大墓公（たものきみ）　阿弖流為（あてるい）」の抵抗に、壊滅的な敗北（はいぼく）に終わった。
　朝廷は、三度目の進攻（しんこう）に坂上田村麻呂（さかのうえのたむらまろ）を征夷（せいい）大将軍に任じ、十万の兵を以って北進しついに蝦夷（えぞ）を平定（へいてい）した。
　阿弖流為（あてるい）は、盟友の「盤具公（ばぐれのきみ）　母礼（もれ）」と共に田村麻呂（たむらまろ）に従い京に上るが斬首（ざんしゅ）されてしまう。
　後に、田村麻呂（たむらまろ）は蝦夷たちの霊を鎮（しず）めるため、清水寺（きよみずでら）を建立したという。
　岩手県胆沢（いさわ）の蝦夷の英雄「阿弖流為（あてるい）」は、東北人の魂の炎（ほのお）として今なお、燃えつづけている。

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