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日立連合ねぶた委員会

鐘馗

作: 渋谷 一擲




 唐の玄宗(げんそう)皇帝は病に伏して夢をみた。熱で苦しむ枕もとに「虚耗(きょこう)」という小鬼が現れ、楊貴妃の香袋(こうぶくろ)と笛を盗んで行こうとしていた。
 「誰かいないのか!」と大声で叫ぶと、一面を照らす閃光の中、龍と共に破帽子をかぶったひげ面の大男が現れ、あっという間に鬼を退治してしまった。
 小鬼より怖い形相でたつその者の正体を問うと、「私は終南山の鐘馗と申します。武拳の試験に失敗し、国に帰るのを恥じて自らの命を絶ちましたが、帝に手厚く葬られました恩で鬼を退治するために参りました。」
 夢から覚めた皇帝の病は不思議にすっかり治っていた。
 そこで、絵師に命じて夢でみたままの鐘馗の姿を描かせたものが、人々の間で厄災や疫病から家を守る魔除けの神となりました。


≪ NTTグループねぶた 2003年の大型ねぶた紹介 消防第二分団・アサヒビール ≫
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