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青森市役所ねぶた実行委員会

鬼神 茨木童子

作: 穐元 鴻生




 悪疫の流行や、風水害、大地震などが人々を苦しめた平安時代の中ごろのこと。
 都やその周辺では妖術を使い、財宝を奪い、人をあやめ、鬼神と恐れられていた一団が、日夜を問わず、跋扈(ばっこ)していた。
 源頼光(みなもとのよりみつ)の四天王の一人、渡辺綱は九条の羅生門に鬼神退治に向かい、そこで鬼神茨木童子と相対しその片腕を切り落としたのである。 しかし、七日のうちに鬼神が取り返しに来るという陰陽師の予言があり、門を閉じ、読経を続けるという物忌みをすることとした。
 満願が成就しようとするまさに七日目の夜、はるばると渡辺綱を伯母が訪ねて来たのである。面会を懇願する伯母に情を動かされ、門を開け招きいれ、親しく話し込むうちに切り取った鬼神の腕に話題は移った。
 伯母に唐櫃(からびつ)に収めていた鬼神の腕を見せたその刹那、伯母は物凄い形相の悪鬼、茨木童子に変化し、「我が腕、取り返したり」と叫ぶや、何処かへと飛び去ったという。


≪ 青森自衛隊ねぶた協賛会 2003年の大型ねぶた紹介 あおもり市民ねぶた実行委員会 ≫
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